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惑星ぜんぶ見ようよ☆ キャンペーン連動企画 内惑星編

惑星ぜんぶ見ようよ☆キャンペーンが、2007年6月1日~2008年5月31日まで開催されています。学研都市天文台も、このイベントに連動して観望会参加者の皆様に全ての惑星を見ていただこうと、色々と思案してまいりましたが、このイベント、意外と難しいいんです。何が難しいの?って思うでしょ?今回は、内惑星(地球より内側を周っている惑星)にスポットを当てて検証してみましょう。

<水星>
水星は太陽系で一番太陽に近い所にあります。言い換えると、常に太陽の近くに見えると言う事です。見た目で太陽から一番離れる現象を「最大離角」といい、太陽よりも東側に離れる事を「東方最大離角」、西側に離れる事を「西方最大離角」と言います。さあ、問題です。夕方に水星を観察し易くなるのは、どちらでしょう?夕焼けは西に出来るし、「西方最大離角」かな?正解は、「東方最大離角」です。太陽を中心に考えて、太陽の東側に最も離れる時って事は、太陽が沈んでもまだ空にいるって事です。光度(見た目)の明るさはそこそこ明るいのですが、空がそれ以上に明るいので肉眼で観察するのは難しいです。双眼鏡があればベターですが、太陽が西空にある間は危険です。必ず太陽が沈んでから探しましょう。

今回のキャンペーン期間中に、夕方水星を観察出来るチャンスは4回あります。

2007年6月上旬…太陽が沈んだ時に地上高度21度です。好条件です。
2007年9月下旬…太陽が沈んだ時に地上高度10度です。条件が厳しいです。
2008年1月中旬…同じく地上高度16度。少し条件は良いですが、目標天体が無いです。
2008年5月上旬…地上高度19度。近くにアルデバランがあり見つけ易い。

<金星>
宵の明星・明けの明星として有名な金星です。光度(見た目の明るさ)も明るく、肉眼でも簡単に見つける事が出来ます。今回のキャンペーンでは、楽勝?でも意外とこれも厳しいかも?何故かと言うと、このキャンペーンのスタートが2007年6月1日ってのには、とても意味があるんです。何で梅雨前のこの時期にって思うでしょ?夏休みから始めればいいじゃないと思いますよね。実はこの時期に水星と金星を観察しておかないと厳しいって事だったんです。金星は2007年6月上旬に「東方最大離角」をむかえ、今、見た目上どんどんと太陽に近づいています。じゃあ、次の「東方最大離角」を待てばいいじゃない?って思うでしょ?実は金星と地球は意外と仲が悪いんです。地球と金星が同じような位置関係になるのは約1.6年に1回なんです。なので、今回のキャンペーン期間中には、もう「東方最大離角」は無いんです。8月中旬には太陽と見た目上重なってしまって全くもって観察出来ません。その後は朝にまわります。

今回のキャンペーン期間中に夕方金星を観察出来るチャンスは1回あります。

2007年6月上旬…太陽が沈んだ時に西空で明るく輝いています。

この記事を投稿している段階(2007年7月中旬)で、夕方に西空に輝く金星を絶対に見ておきましょう。もし、この時期に見逃しちゃった方は、秋頃に早起きして、明けの明星を見ましょう。水星に関しては、学研都市天文台でも時期を合わせて観望会を開催予定です。お楽しみに。