ここまでテストしてきて、RAの不調と高速駆動時のトルク不足の問題が残りました。私はヘラクレス赤道儀でスペック値ギリギリ?の60Kgの機材を搭載してます。これがトルク不足の原因なのですが、だからと言って載せる筒を減らしたくありません。さあ、何とか解決せねば…。
1.トルク不足の解決策
モータヘッドの減速比を落とせば、ppsも下がります。結果的に同じ倍速を出そうと考えると高速時の周波数を落とせるメリットがあります。でも、モータヘッドの減速比を落とすと、高pps信者の信条に反しますし、低速時トルクを犠牲にするのも、搭載量からって譲れません。逆転の発想で、モータヘッドの減速比を上げて、更に高トルクを選び、高速周波数は据え置いて速度を犠牲して、モーターを1/10ギヤヘッドの物に変更する事にしました。
2.RAの不調の原因
どうも、60Kgからの物体がブンブン回っているので、モーメントも相当なものです。モータ軸とギヤの間に埋め込んだシンチュウ部分で空転している可能性があります。今回のモータの交換時に、シンチュウのパーツを改良型に変更し、ギヤを止めるイモネジはシンチュウを貫通してモータ軸に対して直接止められるようにしましょう。
そして、私のヘラクレスは現在下記のスペックで動作しています。
ウオームホイル 195歯
減速比 3
モーターヘッド比 10
195×3×10×200×8=9360000
9360000÷86190=108.6pps
倍速は、24000÷108.6=221倍速
平成19年2月上旬にこの状態で、テスト中。RAの不調は、シンチュウのパーツ改造で収まった?ようですが、まだテスト数が少ないので引き続きテスト中です。トルク不足は、組み込んだ直後に一度DEC側で停止しましたが、その後は停止無しですが、これまたテスト数が少ないので引き続きテストします。私的には、どっちにしても60Kgは載せすぎなので、一連のテストが終了した段階で、高価ですが、根本的に高トルクのモータを導入しようか思案中です。
今回のパルス化で勉強になった事は、高ppsだけを追求すると、高速時の速度等が犠牲になったりとアンバランスな赤道儀になる事がわかりました。また、マイクロステップも物によっては正確に動作せずに、それを誤魔化す為に、高ppsで逃げているような気がしました。T氏のお言葉で、正確にマイクロステップが動作し、それを正しく駆動出来る赤道儀であれば、40~70ppsの間で十分ですって事を身を持って体験した形になりました。なので、私も最終的には、ppsを適正値に落とす予定です。
今回の一連の改造は、全て自己責任で行っております。