モンスターカレンダー

« 2007年2月 »
12345678910111213141516171819202122232425262728

2007年2月 9日アーカイブ

今回、ヘラクレス赤道儀をパルスする際、スカイセンサー用のモータとサイズがほぼ同じのモータを選択しました。オリエンタルモーターの中で、ヘラクレス赤道儀に収まるモータをチョイスして頂きました。ただ、スカイセンサー2000PC用のモータとこのモータでは、2点違う点がありました。

1.モーターの固定の仕方

スカイセンサー2000PCのモーターは、固定するプレート側にタップを切ってネジで固定するか、プレートに穴を開けて、ボルトとナットで固定する方法で固定しますが、オリエンタルモーターはモータにタップが切ってあるので、プレートの反対側からネジで固定する方法しかありません。

2.モーター軸の直径

モーター軸の直径が、オリエンタルモーターの方が細いです。なので、ギヤとモーターの軸の間にシンチュウのリングを挟んで軸の中心がズレないように加工して頂きました。


P070208_1.jpg
モータ側からネジ止めされてます

P070208_4.jpg
オリエンタルモータは逆側からモータに対してネジ止めします

赤道儀が何ppsになるか?何倍速出るか?等を求めるには、下記の情報が必要になります。

1.ウオームホイルの歯数
2.減速ギヤ比
3.選ぶモーターヘッドの減速比

意外にわからないのが「2.減速ギヤ比」です。どうしてもわからない場合は、このように実際の赤道儀の歯数を数えればわかります。
P070208_2.jpg
ヘラクレスの様に3個ギヤがある場合は、真ん中の伝達ギヤの歯数は無視して下さい。ヘラクレスの場合は、60/20でした。

さあ、計算です。
195(ウオームホイルの歯数)×3(減速比)×9(モータヘッドの減速比)×200(ステッピングモータ仕様)×8(マイクロステップ)=8424000

8424000÷86164=97.8

私の赤道儀に1/9.0ヘッドのモーターを選んだ場合、97.8pps出る事がわかりました。

さあ、倍速です。高速時の周波数は24000ppsで出荷されるとの事でしたので、

24000÷97.8=245倍

なかなか私好みの数値が出ました。このモータに決めました。

今回、パルス化するシステムは、「E-ZEUS」と言うシステムです。私がお願いしたのは、このシステムの最終プロトタイプになりました。(平成19年2月現在、このシステムは製品化されていて、現在プロトタイプはありません。)

スカイセンサー2000PCとの主な変更点を整理してみました。

1.モーターがDCモーターからパルスモーターに変更。

当たり前と言えば当たり前ですが、モーターが変更になります。

2.パソコンが必須(自動導入時)

モータードライブとしてだけ使用するのであれば、パソコンは要りませんが、自動導入するにはパソコンが必要になります。私の場合は据付だし、ノートパソコンだと最近は小さいのもあるので問題無し。

3.バックラッシュ補正機能が無い。

オートガイドで使う場合は、ソフト側でバックラッシュ補正値を入れれば問題無し。ヘラクレス赤道儀の場合は、元々赤道儀のバックラッシュも少ないので、尚問題無し。

4.ピリオディックエラー補正機能が無い。

ここは、正直少し心配だなぁ~。将来的には何らかの方法でピリオディックエラー補正機能を持たせるとの話だが、少なくとも私が入手する最終プロトタイプには搭載されてない。

5.子午線を通過後、止まらない。

メリットでありデメリットでもあるが、正直、美味しい所で止まってしまう現在のシステムにウンザリしていたので、朗報かな?居眠りだけは注意しないとね。

6.モード切替を併用した便利な極軸設定が使えない

スカイセンサー2000PCの隠れ機能?極軸を出した赤道儀モードと極軸が出ていない赤道儀モードを利用した便利な極軸補正方法が利用出来ない。据付派の私は、一度極軸出せば問題無いが、移動派の人には少々厳しいかなぁ。この機能は便利だったしなぁ~。

7.脱調すれば、向いている場所を見失う

スカイセンサー2000PCの場合は、モータにエンコーダが仕込んであったので、トルク不足で空転したり、線が抜けても、システムがその分を把握していて向きがズレる事は無かったけど、今度のシステムは、この辺りがシンプルなので、万が一トルク不足で止まっちゃうと位置を見失っちゃいます。再度、近くの星でアライメント取り直せばOKですが…。

と、まあ、ザックリですが、スカイセンサー2000PCとの差を整理してみました。少々気になる項目もあるが、メリットの方が遥かに多いので、正式に改造をお願いする事にしました。

P070209_1.jpg
私の導入した最終プロトタイプ